今更ですが・・・、国民医療費40兆円突破から見えてくるものとは?

2016/01/17

今更ですが・・・、国民医療費40兆円突破から見えてくるものとは?

国民医療費40兆円突破。
このニュースは昨年10月に各種メディアで大々的に報じられたので目にした医師の方々も多いと思うが、この40兆円という数字、これは2013年度の数字が集計を経て2015年10月に発表されたものである。
以前は4月や8月、9月に公表されていた年もあるのだが、国全体の膨大な数字を取りまとめる為、こういった類の統計数字が公表されるのには随分と時間を要すという事なのだろう。
今は2016年1月なので少々今更感もあるものの、今日はこの話題から見えてくるものを取り上げたい。

40兆円という「大台を超えてしまった」という事でとりわけ大きなニュースとなった訳だが、35兆円突破で同様に大きなニュースとなったのが、その僅か4年前の2009年度の事である。平成に入ってからの国民医療費の推移を下記の表にまとめたのだが、ものすごい伸びである。言うまでも無いが、これは医療行政における財政状況が悪化の一途を辿っている事を意味している。ご参考までGDP(国内総生産)の推移も列挙しておく。

●GDP(国内総生産)の推移

年度 国民医療費 GDP 主な政権(総理大臣)
1989年(平成元年) 19.7兆円 416兆円 宇野宗佑、海部俊樹
1990年(平成2年) 20.6兆円 452兆円 海部俊樹
1991年(平成3年) 21.8兆円 474兆円 海部俊樹
1992年(平成4年) 23.5兆円 483兆円 宮澤喜一
1993年(平成5年) 24.4兆円 483兆円 宮澤喜一、細川護熙
1994年(平成6年) 25.8兆円 496兆円 細川護熙、羽田孜、村山富市
1995年(平成7年) 27.0兆円 505兆円 村山富市
1996年(平成8年) 28.5兆円 516兆円 橋本龍太郎
1997年(平成9年) 28.9兆円 521兆円 橋本龍太郎
1998年(平成10年) 29.6兆円 511兆円 橋本龍太郎、小渕恵三
1999年(平成11年) 30.7兆円 507兆円 小渕恵三
2000年(平成12年) 30.1兆円 511兆円 小渕恵三、森喜朗
2001年(平成13年) 31.1兆円 502兆円 森喜朗、小泉純一郎
2002年(平成14年) 31.0兆円 498兆円 小泉純一郎
2003年(平成15年) 31.5兆円 502兆円 小泉純一郎
2004年(平成16年) 32.1兆円 503兆円 小泉純一郎
2005年(平成17年) 33.1兆円 505兆円 小泉純一郎
2006年(平成18年) 33.1兆円 509兆円 小泉純一郎、安倍晋三
2007年(平成19年) 34.1兆円 513兆円 安倍晋三、福田康夫
2008年(平成20年) 34.8兆円 490兆円 福田康夫、麻生太郎
2009年(平成21年) 36.0兆円 474兆円 麻生太郎、鳩山由紀夫
2010年(平成22年) 37.4兆円 480兆円 鳩山由紀夫、菅直人
2011年(平成23年) 38.6兆円 474兆円 野田佳彦、安倍晋三
2012年(平成24年) 39.2兆円 474兆円 野田佳彦、安倍晋三
2013年(平成9年) 40.1兆円 483兆円 安倍晋三

(Source: 政府統計を基にRAY Cruise Inc.が作成

増え続ける国民医療費

国民医療費40兆円突破から更に3年目に入った2016年現在、この数字は更に膨張を続けている事だろう。その原因は超高齢化に因るところが大きい訳だが、ここでは深くは掘り下げない。
私が社会人になった1992(平成4)年の国民医療費は23.5兆円、今は40兆円を超えているので、その頃の2倍を超えるのも時間の問題だろう。そのくらい凄い勢いで膨張しているのである。
このコラムを見ていただいている医師の方々も各々、医師免許を取得した年の国民医療費と見比べてみられると、夫々思うところがあるのではないだろうか?

対して、GDPを見てみると日本経済がシュリンク、或いは縮小均衡していっている様子が見て取れる。2013年のGDPが483兆円。これを2020年に600兆円に拡大しようというのが今の安倍政権の大きな政策目標のひとつであるが、これについてもここでは深くは触れない。

日々臨床や研究など医療の現場で多忙な多くの医師の方々にとって、あまり現場の肌感覚からかけ離れた大きな数字を並べられても、それは政治家や厚労省の官僚が考えるべき仕事だろうという事になると思うが、ちょっとコーヒーブレイクの合間にでもご覧頂き、今の日本が、或いは日本の医療費と国力の関係がどうなっているのかを趨勢的に感じ取っておく事は、医師自身の今後のキャリアプランや家族との暮らし、ひいては病院が医師に配分できる人件費(医師の給料、年俸)などにも間接的に影響を及ぼす事から、把握しておいて損という事は無いだろう。

まあ、私がぐだぐだと述べるまでも無く、「数字は雄弁に物語る」である。
もっと様々な数字を(例えば、高齢化率、国の借金の推移だとか、医師数の推移なんかも・・・)併記して眺めてみると色々な事が見えてきて面白いのだが、複雑になりすぎてピントがぼやけてしまい誰も見てくれそうにないので今日は上表の項目のみに留めておいた。
いずれにしても国民医療費などの社会保障関連費の膨張により、その財源確保の為に消費税が8%から更に10%へとアップする事が既定路線となっているのは周知の通りである。

最後に本日のテーマである「国民医療費」の概念を確認しておこう。
(以下、厚労省HPより抜粋)

「国民医療費」は、当該年度内の医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものである。
 この費用には、医科診療や歯科診療にかかる診療費、薬局調剤医療費、入院時食事・生活医療費、訪問看護医療費等が含まれる。
 なお、保険診療の対象とならない評価療養(先進医療(高度医療を含む)等)、選定療養(入院時室料差額分、歯科差額分等)及び不妊治療における生殖補助医療などに要した費用は含まない。
 また、傷病の治療費に限っているため、(1)正常な妊娠・分娩に要する費用、(2)健康の維持・増進を目的とした健康診断・予防接種等に要する費用、(3)固定した身体障害のために必要とする義眼や義肢等の費用も含まない。

という訳で、今日は国民医療費の推移について見てきましたが、
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著者:三木正孝


医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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