看護基準7対1を維持する? 医療機関の選択
2016/06/07

過日、とある地方都市の中規模病院を訪問した際に事務局長から標題の話題が出たので少し取り上げてみたい。
この地方都市は大学病院や全国的に著名な病院に加え、様々な規模や医療機能を持った特徴的な医療施設が充実しており、街の雰囲気も良く、子息の教育環境も申しぶん無いなど、転職を考える医師には人気のエリアとなっている。
そんなエリアに立地するベッド数300床未満の民間病院での話題で、この医療法人の事務局長さんとはかれこれ10年近いお付き合いになるのだが、今とても忙しいと言う。
以前は医師の採用、確保に大変ご多忙だったのが、現在は看護師の確保の為に、看護学校回りや経営全般の諸般の事務仕事でとにかく忙しい中、急な連絡にも関わらずお時間を取っていただいた。
この病院は元々、脳神経外科や神経内科の診療からスタートした病院で、そこから派生してリハビリテーションや整形外科、循環器、呼吸器、消化器など各科(内科系、外科系)、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、形成外科、婦人科など診療領域を拡げ、総合病院化していった医療機関である。
看護基準7対1を満たすのに四苦八苦する病院
この病院の看護配置は7対1である。
しかし、前回2014年の診療報酬改定と今年2016年の改定で7対1入院基本料等の施設基準の見直しが行われ、中小病院(医療機関)にとっては7対1を維持する事がなかなかに困難な状況となっている。
無菌治療室での治療が評価項目に加わったり、救急搬送などを多く受け入れているかどうかや手術などの医学的状況も加味されるようになり、より患者の重症度や医療・看護の必要度が評価基準となり、ちょっと背伸びをして7対1を取ったものの看護師さんの離職などで7対1を維持するのに四苦八苦という病院も少なくないようである。
看護基準7対1を満たせなくなった病院の選択
7対1の施設基準を満たせなくなると、10対1などに届け出を変更するか、病床数を削減するか、一部病棟を地域包括ケア病棟や回復期リハビリテーション病棟に転換するなどの方策が考えられるが、7対1を返上して10対1入院基本料に戻る病院も見られる。
名実ともに急性期の病院として地域で存在感を保ちながら生き残る事は簡単ではなくなってきているのである。
今回訪問した病院の選択は・・・
今回訪問したこのエリアでもそのような動き(10対1への転換など)が見られる中、この病院は7対1を維持し、更に病院規模の拡大と積極的な最新医療機器導入など順調に発展を続けておられる様子であった。
看護師の確保に忙しいとはいうものの、医師の採用は最重要事項のひとつという事で引き続き医師求人募集を行っておられ、良い先生であればいつでもご紹介くださいと笑顔で仰っておられたのが印象的であった。
医師転職コンシェルジュでは、このような病院の考え方と医師の考え方を、十分にヒアリングし、ご登録いただいた医師にピッタリの転職先を紹介しているので、ご相談だけでもどうぞ。
次回コラムでは7対1と10対1の違いが病院経営にどのくらいのインパクトを与えるのか少し見ていきたいと思う。

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