週3日の常勤医としての勤務は可能か?週3日の医師求人情報の特徴について

2020/03/31

週3日勤務で常勤として働く事は可能なのか?

答えは週3日勤務の場合、厳密な意味での「常勤医」としての雇用契約は難しい、となる。しかし、常勤医と同様に社会保険さえ掛けてもらえれば良い、契約は一年更新で良い、といった実質的な面を重視するならば可能性ありとなる。

実際に、週3日勤務であっても、そのような雇用条件で医師を受入れる医療機関が多数派とは言えないものの存在する。

事実、週32時間以内の勤務でも常勤医師と同等の福利厚生で医師を採用する医療機関があるのだ。

常勤医師の32時間ルールと根拠について

32時間ルール

「常勤医師の32時間ルール」とは、一週間の労働時間が32 時間未満の場合は非常勤医師としてカウントするという厚生労働省からの通知を基にした方針の事をそう呼んでいる。

※厚生労働省医政局長通知「医療法第 25条第 1項の規定に基づく立入検査要綱」

一般的には、非常勤勤務の場合は社会保険に加入しづらくなったり、自分で確定申告をする必要が生じたりといったデメリットが生じるので、週4日x8時間=32時間以上働き、常勤医師の身分を選ぶというのが一般的ではある。

この「常勤医師の32時間ルール」=厚生労働省が2014年に出した通達「医療法第 25条第 1項の規定に基づく立入検査要綱」では、週32時間以上勤務しているかどうかが常勤と非常勤の線引きの目安とされている。

実際、この通達は保健所の立ち入り調査で病院の必要医師数をカウントする際の基準とされているが、個々の医療機関では常勤と非常勤の線引きを各々の就業規則などで独自に決めているケースが多いのが実態のようだ。

週3日の常勤医師求人情報の特徴について

まだまだ多数派とは言えないが、医師採用に積極的な医療機関の中には、週の労働時間が32時間以内の医師についても常勤と実質同等の社会保険など福利厚生を整える事で長期間安心して勤務してもらえるように、働きやすい環境整備に力を入れるところも徐々にではあるが出てきている。

例えば、出産や育児による離職防止やキャリアの中断を防ぐ目的で、特に特定診療科(たとえば婦人科など)で女性医師を強く求めていますとか、働きやすい環境を整えていますと声高にアピールする病院もあったりする。また、内科をジェネラルに診てくれる医師へのニーズは多くの病院が持っている。駅から遠いなど交通アクセスが悪い医療機関では医師不足の傾向が強い。そんな医療機関では週3日、社会保険完備という実質的には常勤医師と同等の福利厚生を確保できる可能性があるのだ。

週3日勤務と週4日勤務では病院サイドにとって何が違うのか?

病院

病院サイドから見ると、週3日勤務よりも週4日、週4日よりも週5日勤務してくれる医師の方が有難いというのは事実だろう。しかし、多様な価値観や働き方を許容しないと医師の確保が難しい医療機関では、32時間ルールをクリアできる週4日勤務の医師を常勤医として迎えるところは現に存在する。

しかし、あくまで医師が足りていない医療機関というある種の前提条件が伴う為、医師が充実している医療機関では認められない場合が多いだろう。週3日勤務の場合は、多くは「非常勤医師」という身分での受入検討というのが病院サイドの姿勢だろう。

週3勤務での働き方、ライフスタイルと常勤医として働くメリットを天稟にかけてみる

医師は勤務する病院によっては勤務形態や勤務時間を比較的柔軟に自分でコントロールできる可能性がある職種である。例えば週4日勤務x8時間/日=32時間ルールの条件をクリアし常勤医として雇用契約を締結する事が可能となり、常勤医の安定した身分と社会保険をはじめとする福利厚生の確保を図る事が可能となる。

計算上は、週3日勤務でも早出・遅番などを引き受ける事で、例えば11時間/日の労働条件で雇用契約を締結すれば32時間ルール自体をクリアする事は可能となり、常勤扱いとなる事は理論上可能である。

ただし、この方法は医療法人や病院によって捉え方や方針が異なり、前例が無いなどと杓子定規な対応が返ってくる医療機関は多いだろう。

常勤医の雇用契約は、契約期間の定めが無いいわゆる「無期」雇用契約が一般的で、つまり定年までは簡単に解雇できない(解雇されない)契約という事で、身分としては安定していると考えられている。

「有期」雇用契約の場合は、例えば一年契約で勤務を開始し、年度末に次年度更新の交渉をしていくパターンがあるが、これは病院の事情(経営悪化による人件費削減、医師の入れ替えなど)によって一方的に契約を打ち切られて、次年度更新がされないとか、年俸を大幅にカットされてしまう恐れがあるなど、身分としての不安定感は否めない。

しかし、非常勤医も考え方によってはデメリットばかりではなく、常勤よりも「自由」に「柔軟に」動きやすいという点は医師側にとってのメリットと言えるだろう。

医師としての人生計画から逆算して働き方を考える事が必要

医師の人生計画

医師の考え方や価値観が多様化している中、病院側にも柔軟な勤務形態や働き方(勤務内容)を許容する動きが少しずつだが広がってきてはいる。医師としてのキャリア計画、人生計画、ライフプラン設計から逆算して医師が自分自身の働き方を考える事が以前にも増して重要となってきているのだ。

その場合、従来の常勤先で週5日や週5.5日勤務、外勤バイトで当直といった働き方だけではなく、常勤先で週4日、そして外勤バイトを週1日(常勤先では経験できない症例や治療方法があるバイト先で週1日とか)、週3日は臨床医として、他の日は全く別の生き方をするといった医師も今後は増えてくるのではないだろうか。訪問診療や訪問看護の社会的ニーズも高まっている。

常勤医は当直必須の医療機関が未だに多いが、中には「外来のみ」とか「夜勤専従常勤医(夜間当直の専従医で常勤扱いの医師)」、「病棟管理のみ」といった求人も医療機関側ニーズとして見られるので、面白い求人を見付けたら応募を検討するなど工夫次第で理想の働き方を模索してみるのも良いかもしれない。

あなたの人生計画に基づいたキャリアプランを実現できるような医師求人情報をご提供します。

医師転職コンシェルジュでは、上で見てきたような柔軟な働き方を望む登録会員医師の要望を叶えるために医療機関側と交渉して調整をしてきた経験がありますので、常勤医と同等の社会保険を確保したいけれど、事情があって週3日や週4日しか働けないという医師はお気軽にメールや電話にて詳細ご相談ください。医師会員登録(無料)はこちら

著者:三木正孝


医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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