心臓病治療に強い病院とは?
2015/05/15

前回、前々回のコラムではハイブリッド手術室、心臓病の内科的治療(心カテ・PCIなど)と外科的治療(冠動脈バイパス手術、弁置換術など)、更には血管外科分野について簡単に見てきたが、今回は心臓病手術(心臓血管外科)に強い医療機関について少し考察してみたい。
かなりラフな分類である事は承知の上で、心臓手術分野のアウトラインを把握する為に我々医師転職コンシェルジュが考える「心臓病手術に強い医療機関」のひとつの目安としているのが、年間100例以上の心臓病手術実績というものである。この指標で見ると(大都市圏を除くと)、各都道府県でだいたい一桁程度の施設数に集約されてくる。
勿論、心臓手術自体が減少している情勢下(より低浸襲な内科的治療、心カテ等が増えている現状では)、50例前後の心臓手術を行っている施設は、かなり心臓血管外科が充実している施設であると捉えた方が適切なのかもしれない。心臓血管外科の損益分岐としては50例前後が病院経営の観点から見てひとつの目安であろうか(数字的根拠を基に話している訳ではないので間違っていればご教示いただければ幸いである)。
これらに該当するのは、多くがハートセンターや大学病院、大規模公的病院、社会医療法人など民間病院の一部、それに循環器専門の施設などとなっており、多くが大学医局との良好な関係から医師数、設備、症例数とも充実している。
若手の心臓血管外科医にとっては修練の場、或いは将来の幹部候補生としてこれら施設への入職は広く門戸が開かれているケースが多い。
一方、ベテランの心臓血管外科医は、その培ってきたスキルや経験、多方面への人脈などが財産であり、それらを求める医療機関において、相応のポストと待遇を得て、(自らがメスを置く事を決断するまでは)心臓血管外科医として全うしたいという想いの医師が多いのではないだろうか。社会的ニーズ(患者側、病院側)としては、心臓手術が行える施設が限られる中(それらに多くの中堅・若手心臓外科医が集中する現状)、実態としては、ベテランの心臓血管外科医に対するニーズが市中一般病院において強いのは血管外科分野である事は前回も述べた通り。
ただ、その持てる技術や経験を活かし心臓血管外科医としてのやりがいを満たす事が可能な市中一般病院や施設もタイミングやご縁にも依るが、探せばあるもので、全ての条件を満たす案件はなかなか見当たらないかもしれないが、妥協できる点には片目を瞑って、エリアは広めに、あまり焦らずにじっくり探していただくのが吉かもしれない。
次回コラムでは引続き、循環器領域の内科的治療、PCIに強い施設などについて見ていきたい。
心臓血管外科医の医師転職市場についてはコチラもご覧ください。

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