日本は、そして医師は本当に豊かなのか?(その2)

2016/04/18

日本は、そして医師は本当に豊かなのか?(その2)

前回コラムの話題を続けたい。
日本は今後若い労働力人口(支える側)が減少していき、逆に年金や医療、福祉を必要とする高齢者人口(支えられる側)はどんどん増加していく。高齢になれば必然的に病院に掛かる人が増えるので医師の方々も益々忙しくなって大変だ。国の経済力を示す指標のひとつとしてよく引き合いに出されるGDP。日本は2009年に中国に抜かれるまで米国に次いでGDP世界第二位の経済大国と自認してきた訳だが、あっという間に中国に抜き去られて以降、その差は毎年大きくなるばかりである。
ついこの間まで世界第二位の経済大国だと思っていたのがもう7年も前の昔話になっている事に少々驚いてしまった訳だが、今日はGDPをその国の人口で割った「一人当たりGDP」について少し考えてみたい。

国民一人当たりのGDPは?日本は豊かなのか?

人口が日本の10倍以上もある中国と全体のGDPを単純比較してもあまり意味が無いというのは負け惜しみかも知れないが、やはり国民ひとりひとりの豊かさという観点から言えば、「一人当たりGDP」の方がしっくりくる指標だと思う。
さて、この「一人当たりGDP」。IMFや世界銀行、国連など様々な国際機関が統計を出しているがIMFが公表した2015年の順位を見てみると以下のようになっている。

1位 ルクセンブルク USD101,994
2位 スイス USD80,675
3位 カタール USD76,576
4位 ノルウェー USD74,822
5位 マカオ USD69,309
6位 アメリカ USD55,805
7位 シンガポール USD52,888
8位 デンマーク USD52,114
9位 アイルランド USD51,351
10位 オーストラリア USD50,962
11位 アイスランド USD50,855
12位 スウェーデン USD49,866
13位 サンマリノ USD49,847
14位 イギリス USD43,771
15位 オーストリア USD43,603
16位 オランダ USD43,603
17位 カナダ USD43,332
18位 香港 USD42,390
19位 フィンランド USD41,974
20位 ドイツ USD40,997
21位 ベルギー USD40,107
22位 フランス USD37,675
23位 ニュージーランド USD37,045
24位 UAE(アラブ首長国連邦)USD36,060
25位 イスラエル USD35,343
26位 日本 USD32,486
27位 イタリア USD29,867
28位 クウェート USD29,363
29位 プエルトリコ USD29,236
30位 ブルネイ USD28,237
31位 韓国 USD27,195
32位 スペイン USD25,865
33位 バハマ USD23,903
34位 バーレーン USD23,510
35位 マルタ USD22,829
36位 キプロス USD22,587
37位 台湾 USD22,288
38位 サウジアラビア USD20,813
(中略)
75位 中国 USD7,990
※IMFが公表する順位ではマカオ、香港、台湾、プエルトリコなどは国ではなく地域という扱いで順位から除外されている為、上記順位とはやや異なる。

さて、どうだろうか。日本は26位にようやく顔を出している。
私の実感としてはこの順位は妥当な気がする。日本より上位にランキングされている全ての国・地域に行った経験がある訳ではないが、旅行や出張などの短期間とはいえ、それらの国の幾つかに滞在した際に垣間見た限りであるが日本よりもずっと豊かだと感じさせる国はいくつもあった。
逆に日本よりも下位にランキングされている国、例えばイタリアやスペインといった南欧(ラテン)の国、そして韓国や台湾など東アジアの国の一人当たりGDPを見ると妙に納得感がある数字に落ち着いている。実感に近いのである。

全体のGDPが大きくなれば一人当たりGDPも大きくなるが、人口減少トレンドに入って今後稼ぎ手が少なくなる日本がGDPを増やそうと思うと、一人当たりの付加価値を今よりもずっと大きくする必要がある。
しかし、ただ闇雲に働いても限界があるし、無理が祟ってみんな疲弊してしまうだろう。ではどうすれば良いのかと言われれば私にも分からないし、日本の舵取りをしている人たちの意見も様々だろう。しかし規模の拡大や数字上の(ハリボテの)豊かさをひたすら追い求めるのはいつか来た道で周辺国との摩擦を生む事になるだろう。

先週、「世界一貧しい大統領」と言われるウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカ氏が来日した。
環境問題を各国が話し合うリオ会議(Rio+20)で「ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星は一体どうなるでしょうか?」など、「過剰な消費生活に警鐘を鳴らし、それよりもむしろ、より良く生きる事を重視すべき」という大演説で一躍有名になった人物である。

南米ウルグアイの一人当たりGDPの順位は45位(USD15,748)であるが、この「環境資源に恵まれている小さな国」の代表者曰く、「ウルグアイには300万人ほどの国民しかいません。しかし、世界で最も美味しい1,300万頭の牛が私の国にはいます。羊も800万から1,000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さな国にも関わらず国土の90%が資源に恵まれています。」

更に、「私の同志である労働者たちは8時間労働を求めて戦いました。そして今では6時間労働を勝ち取った者もいます。しかしながら6時間労働になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。何故か?バイク、車などのローンを支払わないといけないからです。毎月2倍働き、ローンを払い終わって気付いた時には私のような老人になっているのです。」

長くなるので興味のある方はWebなどで詳細を検索して欲しいが、医師の方々も知らず知らずのうちにこのような人生になっている人も多いのではないだろうか。エリートと言われる人々に見られやすい傾向であり、日本全体がこのようなジレンマに陥っているのかもしれない。

日本と一人当たりGDPが同じくらいのイタリアや、やや下のスペインといったラテン系の国々は経済状況が厳しいと言われているが結構気楽(?)に構えてその日その日を楽しく過ごしているような印象を受ける。生来、きまじめな我々日本人も、そんな彼らの長所(?)を見習って少し肩の力を抜いて、あまり心配し過ぎず不安に駆られずに生きた方が良いのかもしれない。
しっかりと準備をして、やるべき事をやって、「足るを知る」の精神でいれば「何とかなるさ」くらいの気持ちでちょうど良いのかも、そんな風に感じたムヒカ氏の来日であった。
幸い、日本には智慧も人財も社会資本もまだまだ豊富なのだから。
医師の転職の際にもあまり心配し過ぎずに、起こるか起こらないか分からない将来の事に無闇に不安を感じるよりもまずは一歩を踏み出し行動する事がその不安を取り除く最も効果的な方法のような気がする。

医師転職コンシェルジュでは、医師一人一人のライフスタイルに合わせて、転職先をご紹介しております。一人一人、価値観も違うので、もちろんそれに合わせて求める職場環境も変わる。私たちは、そのような医師の方に、オーダーメイドで転職支援を行い、理想とするライフスタイルを得て欲しいと思っています。

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著者:三木正孝


医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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