ドバイで働きたいという医師はいますか?(その4)

2015/08/22

ドバイで働きたいという医師はいますか?

今回も引き続きドバイの話題である。 現地の方のお話しや弊社調べによるとドバイを含むUAE(アラブ首長国連邦)では日本の医師免許をベースに現地ライセンスを取得する事が可能なようである。 「日本の医師免許+種々の申請手続き」で現地ライセンスを取得できる(※日本の医師免許がそのまま通用する訳ではない)海外の国や地域はあまり多くはないが、UAEはその数少ない国のひとつのようである。 種々の申請手続きというのは、海外で医師として働くにあたっては、やはり現地の医師免許というか現地のライセンスが必要となる為、その申請に様々な書類提出を求められ、英語での口頭試問(job interview)や労働ビザの取得、そして健康診断(medical examination)など現地での様々な手続きが必要で相当の時間と労力が要求される。そこはやはり海外。日本を出て海外で医師としての職を得る、異国の地で働くという事はそんなに簡単な事では無い訳だが、これらをすごく大変と見るか、現地医学部に入りなおす必要が無い分、「大変だけれども海外で医師として働くチャンスがある」という事でチャレンジする価値ありと見るかは人それぞれだろう。いずれにしても現地の医師免許申請手続きからビザ取得までをしっかりサポートしてくれる求人元の確保が先決ではあるが。
ちなみにドバイには現在下記2種類の医師のライセンスがある由。

・DHA(Dubai Health Authority)が発行するライセンス=ドバイ首長国どこでも通用
https://www.dha.gov.ae

・DHCC(Dubai Healthcare City)が発行するライセンス=ドバイにある医療特区DHCCで通用 https://www.dhcc.ae/

日本の医師免許をベースに現地ライセンスの取得が可能な国、地域としては、UAEの他、中国(上海など)やシンガポール、タイ、ベトナムなどが該当すると認識しているが、制度が変更になっている可能性もあるので別の機会にそれら各国の情勢も調べてみたい。 そして、肝腎の在UAEの日本人医師についてであるが、2015年8月現在、ドバイには日本の医師免許を保有し、医師として働く日本人ドクターがいらっしゃるようである。 Dr.Junko Fukudaという先生でご専門は内科。 内科、総合診療、メタボリックシンドローム、旅行医学・渡航医学(Travel Medicine)、ワクチン接種(Vaccination)などをカバーしておられ、ドバイの日本人患者が日本語で安心して診察を受ける事ができる環境のようである。 福田先生は日本と英国で学んだ後、医師としては東京でのご勤務を経て、フランス(パリ)、中国(上海)などでもご勤務経験があり、日本語、英語、フランス語、中国語を駆使されるといった内容がホームページにお名前、写真などと共に詳しく掲載されている(URLは下記)。

https://www.brms.ae/doctors_list/dr-junko-fukuda/#bio

この先生がご活躍中のBR Medical Suitesというは、NMC HealthcareというUAEの大きな私立病院グループに属し、ドイツ、フランス、イタリア、アメリカ、オーストリア、カナダ、スイス、ギリシャ、そして日本など世界各国、様々な国で医師免許を取得した専門分野も国籍も多岐にわたる医師たちが正に人種の坩堝のように集まっている施設で、総勢30名以上の医師(歯科医師も含む)が所属しているようである。 科目としては、内科、外科、耳鼻咽喉科、皮膚科、整形外科、産婦人科、内分泌科、精神科、形成外科、泌尿器科、血管外科、歯科などの診察や手術を行っている。 この施設は上述した医療特区のヘルスケアシティー(DHCC)内にあり、福田先生の他に受付にも日本人スタッフがいるそうで日本語OKの環境となっている。 なお、ドバイには住所という概念が無いらしい。「Healthcare City」という固有名詞で、ある程度エリアが絞られ、その中のBlock B(Bブロック)、そしてビル名でようやく場所が特定できるという具合。元々この辺りの人々は遊牧民だったからという事が理由(本当に?)らしいが、それで問題が無いというのも日本と違って面白い。 BR Medical Suitesへは、メトロのHealthcare駅から徒歩10分ほど、或いはタクシーで「to Healthcare City, Building 64」などと伝えてビルの前まで着けてもらうのが良いようだ。ドライバーが知っていればだが病院名を告げた方が早いかもしれない。 同院のHPには「Click here for driving directions」という箇所があり、ここをクリックするとGoogle Mapが場所を指し示してくれるのでそれをドライバーに見せれば安心だろう。 外務省のHPによると、ドバイでは他にも下記7つの医療機関が紹介されている。 ・American Hospital(アメリカン・ホスピタル) 日本人の利用頻度が多い私立病院。救急は24時間受付可。小児救急可。

https://www.ahdubai.com/main/index.aspx

・Sakura Medical and Dental Clinic(サクラ・メディカル・アンド・デンタル・クリニック) 日本の歯科医師免許を有する日本人歯科医が勤務しており日本語対応可。 日本語のFacebookページあり。 上述のBR Medical Suites(BRメディカルスイーツ)と同じビル内にある。 ・Fetal Medicine and Genetic Center(フィータル・メディスン・アンド・ジェネティック・センター) 産婦人科専門クリニック。EUの医師免許を有する日本人産婦人科医が勤務(と外務省HPには記載があるが本日現在同院のHPでその日本人産婦人科医は確認できなかった)。

https://www.fetalmedicine.ae/our-team/

・Rashid Hospital(ラシッド・ホスピタル) ドバイ首長国立総合病院。外傷センターがあり救急医療に注力、24時間診療可、小児の診療も可能。

https://www.dha.gov.ae/En/Pages/default.aspx

・Mediclinic City Hospital(メディクリニック・シティ・ホスピタル) 日本人も比較的よく利用する私立総合病院。24時間救急受付、小児救急可。

https://www.mediclinic.ae/CityHospital/PageContent.aspx?pageid=131&groupid=1

・Mediclinic Welcare Hospital(ウェルケア・ホスピタル) 比較的各診療科のバランスが取れた私立総合病院。24時間救急受付、小児の診療も可能。

https://www.mediclinic.ae/WelcareHospital/PageContent.aspx?pageid=447&groupid=1

・Versailles Dental Clinic(ヴェルサイユ・デンタル・クリニック) 受付に日本人がいる歯科。ある程度日本語対応可能。

Home

以上、外務省のHPから引用させていただいたが、日本の医師免許を持つ在ドバイの日本人医師は本日現在、BR Medical Suitesの福田先生ただ一人のようである。

ドバイの日本人医師(歯科は除く)は福田医師ただ一人と先に記載したが、実は形成外科の日本人医師がもう5年以上も前にDubai全域で通用する医師免許を取得され、出張ベースで定期的に(年に4回程)Dubaiへ赴き、形成外科手術を行っておられるという情報をこの先生ご自身からのご連絡で教えていただいたので、ここに訂正して追記させていただく。現地ライセンスの取得手続きは多くの書類提出と現地医師との英語での口頭試問など決して簡単な手続きでは無かったとのコメントもいただいたので合わせてここに記載させていただく。
※2016年8月16日追記

前回のコラムで紹介したがドバイには3,000人程の在留邦人がいる為、潜在的には日本人医師に対するニーズは強いと思われる。 日本の医師配置の数字と単純比較は出来ないが、日本の人口10万対医師数(2013年)は237.8人なので、医師一人あたりがカバーする人の数は420人程である。 少々乱暴な仮説ではあるが、在ドバイの日本人患者のみ(そして日本人患者全員)を診ると仮定すると、現在のドバイでは在留邦人3,000人に対して日本人医師は一人だけという状況のようで日本人医師に対するニーズ、或いは日本人医師がドバイにおいて活躍できるフィールドは存外広がっているのかもしれない。 上述の数字から考えると日本人医師は7名程いれば日本と同程度の水準となる為、あと数年もすればドバイで働く日本人医師も増え、その時には日本人医師に対するニーズは急速に萎んでいく事も考えられる。 なお、ドバイの休日は金曜、土曜(イスラム教国の多くは木曜、金曜が休日)で、日曜は平日なのでその辺りも日本とは違うという事を頭に入れておきたい。 いずれにしても百聞は一見に如かず。チャンスがあれば一度現地を見てみるのも悪くないかもしれない。私の出身会社である総合商社もドバイにオフィスを構えており、右も左も分からない異国の地で困った事があった際など、いざとなれば駆け込む先があるというのは心強い。 ドバイでの海外勤務にご興味がある医師の方は、本サイトの医師登録からご登録下さい。 海外医師求人募集についてはコチラ

著者:三木正孝


医師転職コンシェルジュ代表。医師の方が自分らしい働き方、ライフスタイルを過ごす事が出来る様な転職支援を行う医師転職コンシェルジュを運営しております。医療業界や医師転職に関する情報に独自の意見も加えて発信していきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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